老後にはいくら必要?介護費用を考えた。
老後は年金で暮らしていけるの?
どのぐらいお金があれば不自由なく暮らせるの?
というのはよく受ける質問です。
厚生労働省によると、厚生年金の平均受給額は約14.5万円となっています。
今、60代以上では8割が持ち家があるということを考えると、厚生年金があればそれなりに生活できるように感じます。
問題は、介護が必要になった時の費用ではないでしょうか。
どの程度かかるのか、というのが問題になります。
実は、介護保険というのは良い制度になっていまして、介護が必要になっても支出はかなり抑えられる仕組みになっています。
所得によっても異なるのですが、所得が年収160万円以上(単身で年金収入のみの場合は年収280万円以上)の場合は2割負担、それ以下の場合は1割負担となっています。
同居している人がいる場合はその他条件もつくのですが、ここでは簡単に考えてみたいと思います。
介護は利用に応じた費用を支払うものになっていて、介護度に応じて支給される限度額が異なります。
たとえば、最も重い要介護5だと360,650円になります。
1割負担だと36,065円になるということですね。
これを年間365日で換算すると、約132万円になります。
では、それがどのぐらいの期間必要になるのでしょうか。
ここで一つ参考になるのが、平均寿命と健康寿命という考え方です。
平均寿命というのは、0歳で生まれた人が何歳まで生きるかという年齢で、男性だと80.21歳、女性だと86.61歳(平成25年)となっています。
健康寿命とは、日常生活に制限のない期間をいい、平均寿命との差は、日常生活に制限のある介護や支援が必要な期間を意味すると考えられます。
そして、健康寿命は男性が71.19歳、女性は74.21歳となっているんですね。
ここから平均寿命と健康寿命の差を計算してみると、男性は9.02年、女性は12.4年かかるということになります。
この間ずっと要介護5ということはありえないと思いますが、仮にそうすると、最大で男性は1,449万円(9年)、女性は1.932万円(12年)がかかると考えられます。
思った以上の金額がかかると思った方も多いのではないでしょうか。
実は、この期間というのは疾病予防、健康増進、介護予防等によって短縮できると言われており、そのような取り組みをしながら生活をすることが大切なのかと思います。