移住をするときに、一番多い相談は仕事です。
リタイア世代は特別ですが、ほとんどの世代が、地域で生活をする際に、仕事をスムーズに見つけることができるのかというのを気にされる方が多いです。
ただ、移住をする前に仕事を探すには、現地に何度も面接などで行かなくてはいけないので、交通費がかかります。
一方で移住をした後に何か月も仕事が決まらなかったら生活に困ってしまう。
そんな葛藤の中でみなさん移住をためらってしまうといった方も多いようです。
そこで、そんな悩みを解決するためのアドバイスをお送りしたいと思います。
もくじ
地方での仕事探しの大前提
仕事は簡単に見つかる。ただし、業務範囲は広い。
地方には仕事はないと思う方が多いと思います。
確かに私も以前はそうでした。
しかし、実は違うんです。
地方は人口減少が進んでいて、労働力が不足しています。
特に高齢化が進んでいる地域は、人はいるのに働き手は少ないという状況になっています。
そうなると、仕事探しには困らないんですね。
ただ、大きな会社は少ないので、1人で扱う業務範囲は広くなります。
たとえば、大企業であれば人事といっても給与計算だけをやっている方もいると思いますが、地方の会社だと総務として給与計算と経理も一緒にといった場合も多いです。
また、フリーランスで働くといった働き方も東京だとウェブライティングだけでいける方も、レベルは低くても良いから写真撮影や画像加工までやってよと言われることがあると思います。
こういったマルチスキルを活かした仕事といったことが地方の特徴です。
地方の場合は東京ほど高いレベルが求められないこともあるため、移住した後に経験を通して身に着けていったという方も多いです。
東京と同条件の仕事はないと思う
ただ、仕事を探す際に東京と同じ金銭的な物差しで測ってしまうといつまで経っても仕事は見つかりません。
というのも、たとえば東京でプログラマーとして年収600万円をもらっていた方がいます。
しかし、地方の場合は同じスキルを持っている方でも募集がある仕事の年収は400万円程度ということが往々にしてあるからです。
自分のスキルは同じなのに、なぜ年収が下がるのか。
私はこれに以前は納得がいきませんでした。
しかし、最近は納得がいくようになっています。
というのも、東京の給与というのは、自分のスキルが高いために支払われていたものではなく、東京という劣悪な環境に住むための地域手当が含まれていたのだと考えるようになったからです。
たとえば、東京の水、空気、食べ物を地方で暮らしている環境と同様にするには、200万円で済むのでしょうか。
地方では水道水ですむ水を東京では買ったり、浄水器を付けたりといったことが必要になります。
空気も屋内は空気清浄機が必要ですし、そもそも屋外の場合は同水準にすることは不可能です。
食べ物についても同じ鮮度のものを入手するのはなかなか大変だと思います。
地方での暮らしであれば、残業がないことも多く、副業で収入を増やすこともできます。
しかも、その副業は自身の自由な時間を使ってできたり、他のスキルを使う内容だったりと仕事の幅を広げられる内容であることも多いです。
東京と同じように1つの会社に所属してその収入だけで生活していくと想定するのではなく、東京とは異なり、副業など副収入も得られるチャンスがあるのだということも考えてみると良いかと思います。
移住をする前に仕事を探すメリット、デメリット
では、移住をする前に仕事を探すメリットは何でしょうか。
それは、移住後すぐに働くことができ、収入を確保できるということだと思います。
また、仕事が決まるまで何度でもチャレンジができるので、自身の納得した仕事を探す時間を長くとることができます。
仕事の面接のたびにその地域を訪問するので、移住前から地域の状況をよく知ることもできます。
一方、万が一、移住したいと思っていた地域で仕事が見つからなかった場合でも、他の地域で探すといった方向転換もすることができます。
デメリットはというと、まずはやはり面接などで訪問するコストがかかるということですね。
その会社の地域での評判を聞くことが難しいので、入ってみたら大変な会社だったということもありえるかもしれません。
移住前で住む家も決まっていないと思うので、住む場所が職場の場所に左右されやすいということもあると思います。
移住をした後に仕事を探すメリット、デメリット
では、移住をした後に仕事を探すメリットについても考えてみたいと思います。
まずは何といっても、地域の人の評判を聞くことができることでしょう。
地方では地域に目が向いている人が多いため、ちょっとした会社でも知り合いがつながっていたりします。
むしろ、全く知っている人につながらない会社というのは信頼性が低いともいえるかもしれません。
もちろん、地域と全く関わらずに好業績をあげている企業もあるので一概にそうとは言い切れません。
また、住まいが決まっていて、地理感がわかるため、通勤でどの程度かかるかといった想定もしやすくなります。
いつまでも仕事が決まらない可能性がある。
家が決まってしまっているので、良いと思った会社が遠いということもありえます。
では、どうしたら良いのか
これまで見てきた通り、移住前、移住後のどちらに仕事を探すのにもそれぞれメリットデメリットがあります。
ただ、どちらの決断をするにしても、事前に以下の点は確認しておきましょう。
仕事がなくても生活できるお金はどの程度あるのか
誰にでも仕事が決まらないリスクというのはあります。
そのため、万が一仕事が決まらない期間が続いた場合でも生活できるお金があるかどうかというのは大切な基準の1つになります。
3か月~半年程度の生活費を確保できるのであれば、移住した後に仕事を探すという形でも十分ではないかと思います。
事前にどのような業種が多いかは探しておく
その地域にどうしても移住したいということであれば、仕事内容は関係なく移住ができると思います。
ただ、1日の多くの時間を過ごす仕事なので、やはりある程度は自分の納得のいく仕事をしたいと思う人がほとんどでしょう。
移住前にハローワークのホームページで自身の希望する職種はその地域に多いのか、少ないのか。
何社程度あるのかといったことは確認してからが良いと思います。
収入の確保の手段は就職だけではない
前半で述べた通り、地方では就職に加えて、副業、ダブルワークといった収入の確保ができる手段があるのも特徴です。
副業に力を入れていく間にその事業で独立して個人事業主になったという方もいます。
副業は地域とのつながりによって生まれることが多いため、地域の人たちとの交流は重要です。
ただ、毎日顔を合わせるような関係は都会暮らしが長い人にとってはつらいものだと思います。
そういった適度な距離感で暮らすことができる団地がホシノマチ団地です。