地方では、行政がお金を出してまちづくりをするのが当たり前です。
東京のような大都市だけが民間が自主的に動いて、まちづくりをしているという状況です。
今回のホシノマチ団地プロジェクトは、長野県佐久市の取り組みとして進められています。
これは、佐久市のまちづくり事業に位置付けられていて、地域再生計画というものも定められる公式のプロジェクトという意味です。
しかし、佐久市は1円も補助金などのお金は出しません。
地方にもかかわらず、自治体が1円もお金を出さずに民間の自助努力によって地域を活性化しようという取り組みです。
これを聞いた佐久市の地元の方々は、そんなんで大丈夫なの?と言います。
これまでは行政がお金を出すのが当たり前だったのに、1円ももらっていないでできるのか疑問に思うのも当然ですね。
さらに言うと、今回は行政にお金をもらわないだけでなく、佐久市から住宅と土地を借りるので、お金を払っています。
佐久市はお金は出さず、逆にお金をもらってしまうというすごい取り組みです。
これには地元の方々が不安になるのも当然で、継続できるのかと疑問に思う人もいます。
何度もなぜ、取り組むのかと聞かれもしました。
これは、会社の代表がよく言っていることですが、なぜかというと、この問題を解決しない限りは地方は変わらないからです。
戦後、ずっと地方から東京に人が流れています。
そして、東京のお金は地方交付税として地方に流れています。
これは制度としてお金を儲けなくても税金が地方に落ちる仕組みになっているからです。
そんな状態がすでに70年近く続いています。
これは全体的な傾向の話ですが、70年間税金を受ける側だった人は、税金をもらうことになれてしまっています。
そのため、お金をもらわずに自助努力をすることをあきらめてしまっていますし、できないと思ってしまっています。
それでは、いつまでたっても地方は変わりません。
地域は自分たちで作り上げることが基本です。
そして、本来であれば、自分たちの身の丈にあった地域にしていくものだと思います。
日本は恵まれていて、東京という集金装置があるため、地方には身の丈以上のお金が入ってきていると言えるのではないでしょうか。
もちろん、それを活かして魅力的な地域をつくりあげていくことも大切だと思います。
ただ、もし地方も東京と同じようにお金を稼ぐことができたとしたら、もっと良いと思いませんか。
国土の均衡ある発展というのは、美しいものではありますが、それは人を育てることにはならないのではないかと思います。
本当に国土を発展させたいのであれば、それぞれの地域における努力を尊重するのが良いと考えるからです。
そうなると、貧しい地域に生まれた人たちは大変ではないかという意見もあるかもしれませんが、国内の移動は自由です。
より魅力的な場所に移動する方法をつくれば良い話だと思います。
そういった意味で、ホシノマチ団地は地域にとって大きなチャレンジです。
まだまだ団地とそれに関わる少数の方々しか関わりはないかもしれませんが、地域の核となる方々の協力を得られているので、徐々に広がってきています。
これが臼田地区全体に広がり、大きな波となって、佐久市、長野県、日本全体に広がっていく。
そんなインパクトのある事業を目指しています。