こんにちは。ホシノマチ団地スタッフのマチューです。
7月。
夏本番です。
佐久市でも30度を超える日が続いていますが、それでもときおり涼しい風が吹き抜けると、「ああ、高原にいるんだな」と感じます。
さて、今日はブログの更新日。
パソコンの前に座ってはみたものの、どうにも言葉が出てきません。
カーソルは点滅したまま、キーボードは沈黙。
そんなときは、気分転換に歩いてみるのがいちばんです。
私はPCを閉じ、ホシノマチ団地の外へ出ました。
団地のすぐ脇を走る幹線道路を渡ると、そこは、もう昔ながらの集落。
両脇には趣ある日本家屋が並び、農家の暮らしが今も息づいています。
そしてなにより、用水路を流れる水の音。 とうとうと、さらさらと、涼やかな調べが耳に心地よく届いてきます。




(団地から1本道を挟んだ集落。用水路が走り日本家屋が点在し、落ち着いた雰囲気があります。)
小さな角を左に折れ、臼田駅の北側へ向かうと、踏切の近くにまた用水路が。
そこにもたっぷりの水が流れていて、どこまでも清らかです。
ふと顔を上げれば、浅間山を背に、水田が広がり、小海線の線路がその風景を横切っていく。 夏の陽ざしのなかを歩く足取りが、少し軽くなりました。


(臼田駅北側は畑や田圃が広がり、浅間山を眺望できます。
散歩の立ち寄りスポットとしておすすめ。近くには幅がある用水路があり水田を潤しています。)
製材所と工場のあいだ、暗渠の上を通る小道に入ると、足もとから「トクトク」と水音が響いてきます。
目に見えない水の流れ。けれど確かに聞こえるその音に、なんだか背中を押された気がしました。
工場の前を通り、水田地帯を用水路沿いに少し歩くと、小さな辻に出ます。
そこには、江戸時代に、藩が住民に法や掟の通達するために掲げていた「高札場」の跡が残されていました。
今は目立たない角ですが、かつては人々が足を止め、法や掟に耳を傾けていた場所。 そんな時間の積み重ねを想像すると、静かな路地にも歴史の重みが感じられます。

(用水路沿いに残る高札場跡。江戸時代この水路が人々の生活の中心だったか偲ばれます。)
さらに用水路は佐久穂町の方向へ伸びていきますが、ここで右に曲がり臼田駅の南側の踏切を越えると「佐久の花酒造」が現れます。
佐久の名水と米で仕込まれた地酒は、地元の誇り。 大学時代に初めての飲んだ信州の酒が『佐久の花』でした。 ほんのり甘くすっきりした飲み口の冷酒で、その時の味は今でも覚えています。
今度、涼しい夜に一杯だけ、また味わってみようかな。

(臼田駅近くにある佐久の花酒造。小海線を待っている間に外観を見物するのもお勧めです、)
小さな道を抜けて、細い水路を渡り、千曲川の堤に沿って臼田橋に着くと、空がぐっと広がります。 気づけば、何かを書くためではなく、ただこの時間を感じていた自分がいました。 ほんの1時間足らずの散歩でしたが、五感がすっかり満たされた気がします。
団地に戻ってPCを開くと、不思議とカーソルがすいすい進み始めていたのでした。

(臼田橋から眺める千曲川と佐久総合病院。写真には映っていませんが、浅間山の雄大な姿もよく見ることができます。)