こんにちは!運営スタッフのマチューです!
ホシノマチ団地は佐久市臼田にある移住者専用の団地です。
運営スタッフの1人として、住民の活動サポートなどを行っています!
スタッフ活動とは別に、和屋-Canaux-という屋号で、個人的にまちづくりの活動をしています。
ホシノマチ団地にご家族で移住をされた原さんにインタビューを行い、移住後の暮らしのリアルについてお聞きしました。
前回のインタビューはこちら
もくじ
移住したきっかけ
●大谷
移住されたきっかけを教えていただけないでしょうか?
●Hさん
移住したきっかけは教育移住でした。
佐久穂町にある大日向小学校か山梨県にある同じような学校にするかということで検討していました。
娘は大日向小学校に行きたいということだったので、受験したところ合格しました。
それが、佐久市への移住する発端でしたね。
●大谷
お子さんが生まれた時やご結婚された時に、ゆくゆくは移住しようと考えていらっしゃったのでしょうか?
●Hさん
全く考えていなかったですね。
移住を検討したタイミング
●大 谷
いつ頃から移住を検討されたのですか?
●Hさん
2021年ごろからです。子供を連れて、頻繁に自然があるところに行くことが増えてからですね。
自分自身はそれこそ今までの人生で引越しをしたことがありませんでした。
場所を変えたい気持ちはありました。
けど実際、仕事のこともありますし、あとは実際に住んでいたさいたま市が不便な場所ではなかったのもあって、なかなか移住をすることにはなりませんでした。
●大谷
確かにさいたま市はそうですからね。
●Hさん
移住するっていう感覚でいる知り合いや友人が周りにいなかったのもありますね。
自然体験を通して移住を決心
佐久地域は豊かな自然がたくさん!(撮影場所:小海町内)
●Hさん
それでもキャンプをしたり、山道を歩いていくうちに、変えるのもありだなって思ったことがきっかけです。
そういうところで過ごしたいみたいな、子育てさせたいなと。
アスファルトの上で育つよりもう土の上で育てたいなって。
それは人間的な感覚を失わせたくないって。
あと子供の原風景を田舎にしたいなっていうところがあって。
そう考えると、どんどん自分の中で気持ちが強くなってきました。
妻に話したら、妻も同じことを考えていて、移住を本格的に検討し始めました。
補助金の活用について
●大 谷
佐久市や長野県の補助金や助成金の補助金は使われましたか?
●Hさん
はい、結果的に使用しました。
移住を検討し始めてからずっと補助金関係を調べていました。
移住してからは お金もいろいろかかるので、できれば移住支援金のある市区町村に行きたいなと思っていました。
そこで佐久市役所に聞いてみたら、22年度は打ち切りになっていて、来年度は実施しない予定とのことでした。
となると、補助金がある佐久穂町で住まいを探したのですが住宅がなかったのです。
そこで佐久市に住むことを探したら、ホシノマチ団地を見つけて3月の初めに引っ越しましたが補助金は諦めていました。
そうしたら25日ぐらいに佐久市から23年度も補助金をやるよっていう案内が出たので申し込みました。
住まいの検討
●大 谷
よかったですね!
移住をするにあたって他に検討されたことはありますか ?
●Hさん
あとは住まいで言うと賃貸を先に考えていました。
はしゃぎ盛りの子供がいるので2階には住めないって話は夫婦の間で事前にしていました。
いろいろ内見とかも言ったのですけど、やっぱり無理だねって結論になりました。
鉄筋の集合住宅を調べたら、佐久平のマンションか臼田のホシノマチ団地かの二択でした。
他に賃貸の一軒家も検討したのですけど、料金がとても高くて、埼玉に住んでいるのと変わんないじゃんという話になって、最終的にホシノマチ団地しました。
引越し作業で大変だったこと
(画像はイメージです。)
●大谷
引越しは順調でしたか?
●Hさん
荷物のパッケージとかある程度余裕を持ってやっていたのですが、急遽妻がダウンして、最後は時間のない中での梱包作業となりました。
積み込みが終わるのも、予定よりも3時間から4時間も遅れたのもありました。
予定されていたスケジュールは前日の夕方までに積み込み、翌日の朝の積み出し。
積み込み後に自分達も出発してホテルを取って朝むかえようと思ったのですが…
結局は埼玉を出るのが夜中の10時くらい、佐久に着いたのが深夜12時になってしまいました。
●大 谷
それは大変でしたね。
SNSで引越し業者さんの選定に悩む投稿を見たことがあるのですが、何かやっぱり3社、4社から見積もりを取ったりされたのですか?
●Hさん
要は何を大事にしたいかです。
値段下げたいんだったら、3社くらいから相見積りを取るのが一番の正攻法だと思います。
自分達の場合は他にもやることがあったので1社で決めてしまっていました。
●大 谷
引越し業者の選定はいつごろにされたのですか?
●Hさん
佐久への移住が決まった12月の頭に、引っ越し業者の選定をすぐにやったように覚えています。
佐久市・臼田に住み始めてみて
●大 谷
移って来られて9ヶ月経ちますが佐久に来てのご感想は?
●Hさん
基本的にはすごく良くて、来て良かったなって思っています。
来たところが臼田っていうのもやっぱり一つのご縁だったなって思います。
最初は佐久平の周辺に住むのは絶対に嫌だと思っていたんですよ。
せっかく来たのにあんまり埼玉と景色が変わっていないように感じていました。
でもこの頃、よくよく見てみたら奥に浅間山が綺麗に映っていて、この風景や環境も最近は良いなと感じているところです。
臼田に来たら来たで、田舎に来た感はあります。
すぐそこの青沼のあたりはザ・田舎の風景じゃないですか。
●大 谷
目の前に広がる田んぼに無人駅が佇む風景がありますからね。
●Hさん
イメージしている田舎みたいなに所に来れたなっていう感覚があって、すごく良いとこだなって思っています。
思った以上に利便性が高いので、そんなに今までの生活を激変させるっていう感覚はないですね。
強いて言えば、ちょっと現金文化が多いなとか、閉店時間が早いなとかあります。
でも、夜型中心の働き方をしている会社にいたので、今までの自分のライフスタイルがバグってたなっていうとこにも気づかされたというのもあります。
だからその辺を見直す、いいきっかけになったなとは思います。
臼田は利便性がいい!
(団地から徒歩圏内に生活に必要なインフラが揃っています。)
●Hさん
大日向小学校に通わせてみると、臼田ってすごく利便性がめちゃめちゃいいところということがわかりました。
娘が通う大日向小学校まで車で15分で着くのも大きなポイントです。
佐久平周辺に住んでいて大日向小学校にかよう子の朝のバスはだいたい7時くらいなのですよ。
ここだと、娘は電車とバスで通わせていて、小学校の最寄りの駅からバスに乗るんですけどあそこだとバスの出発は7時50分。
7時40分前とかに家を出ても間に合っているので、佐久平と比べると1時間ぐらいの余裕があるのは大きいですね。
●大 谷
確かに朝の時間に余裕があると違いますからね。
●Hさん
臼田は大日向小学校にお子さんを通わす人たちもすごく多いんですよね。
多分、臼田にはみんな同じことを感じていると思います。
それなので、臼田っていうところは大日向小学校に通わせるっていう点ではすごくいい場所だなって思います。
佐久穂町じゃなくて佐久市に住みたいって人はなおさらいいんじゃないかなと。
スーパーがあって、コンビニも銀行もそれなりにあり、お金の用事にもそんなに困らないし、美味しい料理店もいっぱいあって「程よい田舎暮らし」ができる場所だなぁっていうのは感じています。
原さんイチオシの料理屋さん
〜ともせん・照龍〜
(こちらはともせんさん。田舎蕎麦風の太めの麺で食べごたえ十分!)
●大 谷
Hさんオススメの美味しいお料理屋さんはありますか?
●Hさん
臼田の佐久総合病院の近くにある
「ともせん」
ですね。
もうあそこはうちの鉄板になっていて一番行っています。
そこの親父さんとお母さんがいい人で、2人の娘からすると「じいちゃん」、「ばーちゃん」みたいになついていて、いつも行くとなんか何かもらっちゃうんですよ。
今日なんかリンゴもらったりとか 白菜もらったりとか そういうのも田舎っぽいなぁって感じています。
あと最近ハマっているのは臼田じゃないんですけど、中込の照龍っていう中華屋さんがあって、そこのもう麻婆豆腐がとにかく美味しくて。
●大 谷
そうなのですか!?
●Hさん
妻が本当にもう麻婆豆腐に目がないんです(笑)
もともと埼玉に住んでいたときは1店だけあったのですけど、こっちに来て、なかなか妻がハマる麻婆豆腐がやっぱり見つけられなかったのですよ。
こっちに来てからそこを越える麻婆豆腐がなかったのですが、ついにそこが超えましたね !
お蕎麦や麻婆豆腐もそうですが、佐久市にはいろんな美味しいお店があるなと思います。
(照龍さん。麻婆豆腐は4人分からの注文だったので、山椒が効いた酸っぱ辛いスープの辛坦々をいただきました!)
移住をきっかけに林業の仕事もスタート!
●大 谷
移住されてから、仕事の面で何か変わられたり、影響があったこととかありますか?
●Hさん
最近になってですが、佐久地域の林業の仕事も始めました。
移住してからずっとリモートで仕事をしていたのですけど、違和感みたいなのが出てきたのです。
●大 谷
違和感ですか?
●Hさん
リモートで仕事をしている時間っていうのは東京時間。
でも僕が住んでいるのは長野の佐久の時間。
その2つの時間感覚の差にすごく何か違和感を覚えたのです。
こちらでの生活をすればするほど、東京の時間軸の中で生きていくことに息苦しさを感じ始めるようになりました。
東京での仕事では、私がいたチームは雰囲気は良かったのですが、他のチームの同僚たちが焦っていたり、せかせかしていて。
もう東京で働くことは消費レースをしているように自分は感じてしまって、なんかその中で働くのは良くないなと思ったのです。
結局、それに追われていると家庭でも子どもたちと向き合えない。
じゃあ何のためにここ来たのって話になっちゃうから、この状態から脱したいと思っていた時に林業という地場のお仕事の話をもらって、佐久のことに1回どっぷり使ってみるのもいいなって思ったのが一つです。
仕事面での佐久と東京の違い
●Hさん
働き始めてから2、3ヶ月なので結論ではないんですけど、働き始めた時に思ったのがあります。
東京で働いている時の商談の仕方と、佐久地域でのビジネスの進め方にやっぱり差があるなぁということに。
「郷に入れば郷に従え」みたいな話がありますけど、佐久の人たちと向き合う、その心構えみたいなのはやっぱり改めて必要だなと思いました。
●大 谷
どういったところに違いって感じですか?
●Hさん
売ろうとしたら絶対に売れないですね。
東京もそうですけど、より佐久の方がそれは強いなって思っています。
やっぱり東京の方が「売ろう、売ろう」とする姿勢しか知らない人が多いっていう気がします。
佐久はどちらかというとコミュニケーションとか、人と人との繋がりみたいなのがすごく重要しています。
そこの部分での信頼を失ってしまったら多分終わると思います。
でも、そうなった時に佐久でのコミュニケーション術を身につけといた方が本質的だなと思うのですよね。
まあはっきり言っちゃえば…、このコミュニケーションを身につければどこにでも通用するなって思います。
よくインサイドセールスやマーケティングの話も出ますけど、結局それってあくまで一つの方法論でしかない。
それだと最終的にはやっぱり繋がりが薄い。
本当にただ単にモノだけを売る仕事になってしまうというところは感じました。
お休みはなにを?
●大 谷
お休みでは何かされていますか?
●Hさん
コミュニティづくりですね。
佐久地域のコミュニティをけっこう回った中でGokalabがすごい良くて、Gokalabのメンバーと今はサウナ作りをするとかしています。
●大 谷
Gokalabさんにある「浅間サウナライン」ですね!
●Hさん
そうです!
大丸家具のカラモリ会も最近は参加しています。
自宅には薪ストーブはないので、薪とか別に使わないですが、 他のみんなは薪の調達のために結構来ています。
それ以上にあそこで薪を切る体験、森の中に入ってみんなで何かやる体験でのつながりはすごく佐久地域に来た感じがします。
子どもたちも薪割りの様子を見てやっぱり普段見ないような顔とか見せるので、 すごく参加して良かったなぁと思います。
チェンソーの使い方や薪割りなんて若い世代よりもおじいちゃん世代の方が上手くて、年長者が年長者たるところを見ることができたのも東京にはなく新鮮で刺激を受けました。
佐久地域にはそういうコミュニティがあるのがすごく良い環境だなぁと思います。
地域のコミュニティの見つけ方
●大 谷
コミュニティの見つけ方とかコミュニティつくりのコツなどはあるのですか?
Hさんは探し方がうまいと思うのですが?
●Hさん
とにかく動いて顔を出すことじゃないですかね?
そうじゃないと見つけられないと思います。
あと自分がやりたいっていうことを言うこと。
そのことで知り合った人たちがやりたいことに関わるヒトやコトを紹介してくれます。
●大 谷
私がHさんに大丸家具さんを紹介させていただいたきっかけも、Hさんが佐久でしたいことをはっきり話されていたところですからね。
●Hさん
東京で誰々と誰々をつなげますというのは最終的には何かの売り上げに結びつけたい要素が多い場合があるなと感じていて。
僕はずっと東京で仕事をしてきているので、それが普通だったのですけど、 そうじゃない様子を見られたというか…それこそおせっかいの人が多いじゃないですか (笑)
●大 谷
おせっかい多いですね(笑)
●Hさん
いい意味でおせっかいの人が多いから、それはでも、ある意味ビジネスの本質として見てもいいのかなと思うのです。
そういうあり方でいたいなと思いました。
めぐりにめぐって自分にそれが返ってくるのです。
どうしてもやっぱり時間のない中とか、資本の少ない中でやろうとすると余裕がないので、みんな焦っちゃうというか、お金をまず獲得しないと意識がありますね。
自分の事業分にいくらそれバックが来るのみたいなところを、見積もり勘定した上でそういうのをやろうとする打算が働きますね。
長野ならではのハプニング
〜11月に山道で大雪!〜
●大 谷
地域のコミュニティ活動への参加の他にはなにかされますか?
●Hさん
あとはこの周辺のドライブとかも よく行くようになりましたね。
●大 谷
大体どの辺に行くのですか?
●Hさん
この辺だとよく山梨の八ヶ岳あたりには 行くようになっています。
立科(蓼科)とかも結構行きますね。そうするとあの女神湖とか。
まだ周りにいっぱいたくさんあるんですけど これからもいろいろ行きたいなと思います 。
●大 谷
ぜひぜひ。夏と冬でも全然違いますので、これからも楽しみにされていてください。
●Hさん
ですよね。冬は冬でまた綺麗です。
けど、アイスバーンには気を付けないといけませんね。
11月に諏訪湖へ行った帰りに、白樺湖の峠が大雪になったことがありました。もう本当にもう雪が積もって、たくさんの車が立往生しちゃって。
多分みんな県外から来た人で、11月の半ばだったので、雪は降らないだろうとノーマルで信州に来てしまったのだと思います。
あまりにも立ち往生した車の数が多いのでJAFが足りないから、ホテルの人が手伝ったりしているのをみて、やっぱ長野だなって思いました。
●大 谷
Hさん自身はもう大丈夫だったのですか?
●Hさん
ちょうど車を買い替えたあとで、購入の時にスタッドレスを履かせていました。
立ち往生はしなくてよかったんですけど、自分も雪が降るのは、12月からかなと思っていたので、本当にタイヤをスタッドレスにしていてよかったと思いました。
これから挑戦したいこと
●大谷
最後にこれから佐久でやってみたいこととか、挑戦したいことを教えてもらえないでしょうか?
●Hさん
まちづくりはやりたいなと思っています。
新しい仕事を始めてみたら、まちづくりに近い仕事の内容だったのです。
林業アプローチの業務で、林業の6次産業化が佐久穂町の未来にどう関わっていくか、総合的な目線でみていくことになりました。
その中で、林業に携わる若い人たちにヒアリングをしたり、ワークテラス佐久の代表の柳澤さんにお会いしたりすることができました。
佐久穂町は林業が盛んで若い人たちが真剣に20年後〜30年後の林業のことを考えていることは刺激を受けました。
また、ワークテラス佐久の柳澤さんにはどういうことやってるのかって話を聞いてなんかすごい楽しそうだなと思いました。
佐久でコミュニティを広げ始めたっていうのも、佐久で自分のできることがどれだけ増やせるか挑戦してみたいということもありました。
コーワーキングスペースを選ぶ基準も、いい環境でできるっていうよりも、いかにいろんな人と繋がれるかという視点で求めていました。
それがGokalabに入った理由です。
これからも移住の人たち、別に移住じゃなくても 2拠点とか関係人口の人が増えてくると思うので、ますます繋がれる人が増えていくかと思います。
ここにはここの良さがあるなと思います。
そういったところに携わる仕事をして自分をアップグレードして、アップグレードした自分を佐久地域で試していきたいです。