移住はゴールじゃない。空き家・農業・廃校やりたいが地域を面白くする

ナナマル果樹園なつあかり

「移住」と聞いて、あなたはどんな生活を想像しますか? 

自然に囲まれたスローライフや、時間に追われない穏やかな暮らしを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

確かに、それらは地方移住の大きな魅力です。

でも、ちょっと待ってください。 

もしあなたが「移住=ゴール」だと考えているなら、それは少しもったいないかもしれません。

地方には、都会では出会えないユニークな「資源」が眠っています。 増え続ける空き家、広大な農地、そして役目を終えた廃校。 一見すると、これらは課題に思えるかもしれません。
しかし、見方を変えれば、あなたのアイデアと情熱次第で、地域を最高に面白くする「宝物」に変わるのです。

この記事では、そんな3つの宝物を活用した新しい挑戦のヒントをご紹介します。 移住を考えているあなたも、もうすでに地方に住んでいるあなたも、ぜひ読み進めてみてください。

空き家」を自分だけの秘密基地に

地方を車で走っていると、誰も住んでいない古い家をよく見かけますよね。 

こうした「空き家」は、地域の景観を損ねるだけでなく、管理問題や犯罪リスクの原因にもなりかねません。

しかし、その一方で、空き家は無限の可能性を秘めたキャンバスとも言えます。

たとえば、こんな風に空き家を生まれ変わらせた人たちがいます。

  • 挑戦1:カフェやゲストハウス

古民家の趣を残しつつ、現代的なデザインを加えることで、SNSで話題になるような個性的なカフェやゲストハウスに。
地域の人が集まる憩いの場になったり、観光客と地元住民をつなぐ拠点にもなります。

  •  挑戦2:クリエイターのシェアオフィス

 広々とした空き家を改修し、フリーランスや個人事業主が集まる共同オフィスに。
 都心から離れても、クリエイティブな仕事ができる場所として、移住者の受け皿になります。

  •  挑戦3:コミュニティスペースやギャラリー

空き家の一室を地域の人が自由に使えるスペースにしたり、地元の作家の作品を展示するギャラリーにしたり。
空き家を「みんなのもの」にすることで、新しい交流が生まれます。
あなたのアイデアが、誰も使っていなかった場所に新しい命を吹き込みます。

ホシノマチ団地も、長いこと空室が多かった団地を佐久市臼田地区生涯活躍のまち事業により、佐久市臼田地区活性化共同企業体が委託を受け再生させた移住者専用の団地です。
2019(令和元)年に1階4戸、2020年に2階4戸をリノベーションし、2021年3月にオープンしました。
2025(令和7)年8月現在は満室となっております。

「農業」で食と暮らしをデザインする

「農業」と聞くと、「朝早くから夜遅くまで大変そう…」というイメージが浮かびますか? それは確かに一昔前の農業の姿かもしれません。しかし、今の農業には、もっと自由で多様な関わり方があります。

  •  挑戦1:週末だけ楽しむ家庭菜園・週末農園

 まずは小さな畑を借りて、自分の食べる分だけ野菜を育ててみましょう。
土に触れ、作物が育つ喜びは、何物にも代えがたいものです。収穫したばかりの新鮮な野菜で、食卓がぐっと豊かになります。

ホシノマチ団地には住民が使える農園があります。

  •  挑戦2:ニッチな作物でビジネスを創出

 都会では手に入りにくいハーブや珍しい野菜、高品質なフルーツなど、特定の作物に特化することで、小さな畑でも大きな収益を生み出すことができます。

  •  挑戦3:農家と協業し、ITやマーケティングで貢献

 自分で農作業をしなくても、都会で培ったスキルを活かして、農業ビジネスに関わる方法もあります。
農産物のECサイトを立ち上げたり、SNSでのプロモーションを代行したり。
農業は、今やITやデザイン、マーケティングの力が不可欠な分野なのです。

トップの画像はホシノマチ団地元住人で立科町でリンゴ農家になられた方のリンゴです。

「廃校」を地域のシンボルとして再生する

少子化が進む地方では、子どもたちの声が聞こえなくなった「廃校」が増えています。

 かつての思い出が詰まった学び舎が、そのまま放置されていくのは寂しいことですよね。しかし、廃校には、地域を活性化させる驚くべきポテンシャルが眠っています。

広大な体育館、教室、グラウンド…。その独特な空間は、新しい発想の宝庫です。

  •  挑戦1:ワーケーション施設や宿泊施設

 教室をリモートワーカー向けのオフィスに、職員室をカフェに、職員住宅を宿泊施設に。
自然豊かな環境で働きながら滞在できる施設は、都心からの移住者や観光客に人気です。

  •  挑戦2:地元の特産品を扱うアンテナショップや工房

 教室を地域の農産物や工芸品を販売するショップにしたり、ものづくり体験ができる工房にしたり。 廃校が、地域の魅力を発信する拠点として生まれ変わります。

  •  挑戦3:グランピングやキャンプ場

 広々としたグラウンドを活かし、グラウンドにテントを張ったり、校舎をコテージとして活用するグランピング施設に。

廃校というユニークなロケーションは、SNSで大きな話題を呼びます。
「思い出の場所」を、地域の新しい「未来の拠点」に変える挑戦。
それは、単なるビジネスだけでなく、地域の人々と一緒に新しい価値を創造する、とてもロマンのある仕事なのです。

6. まとめ

「移住はゴールじゃない」――。

この記事では、地方に眠る「空き家」「農業」「廃校」という3つの資源を活かした、新しい挑戦についてご紹介しました。

地方の小さな一歩だからこそ挑戦できることがたくさんあります。都会で得たスキルは、人手不足、担い手不足の地方では宝物です。

もちろん「まだ具体的にやりたいことは決まっていない」という方も大丈夫。暮らしの中で少しずつ見つけていただければと思います。

“住んで終わり”ではなく、“移住後の充実した生活”を一緒に育んでいける方をお待ちしています。

佐久で生まれ育ち、Uターンしてあらためて気づいたのは、ここでの暮らしがとてもやさしいということ。
子どもをのびのび育てられて、自然に寄り添いながら急がずに暮らせる――そんな毎日が、心を豊かにしてくれます。
これからも、佐久市臼田町での暮らしや田舎暮らしの魅力を少しずつお届けしていきますね。

ホシノマチスタッフ カノ