団地住民とプルーン農家さんとの絆:温かな農業体験と最高の贅沢

ホシノマチcafeから繋がった佐久の「宝」見学!

「今年の収穫がそろそろ終わっちゃうから、プレジデントとベイラー食べに来なよ〜」

この温かいメッセージをくれたのは、長野県佐久市でプルーンを育てる農家・佐々木さん。実は前回のホシノマチcafeで3種類のプルーンを提供してくださった農家さんです。

地域の維持、活性化のため佐久市から委託されプルーン農家の支援をされている団地住民のUさんを通じて「ホシノマチグループLINE」に届きました。

ホシノマチ団地住民や元団地住民が、ご自身の活動のお誘いや地域のイベント情報、時には果物や野菜、ご実家からのお土産の「お裾分け」の連絡も飛び交う、団地の暮らしに欠かせないお知らせ掲示板のようなグループLINEです。

「農家さんに感謝を伝えたい!」と、Uさんの誘いにすぐさま参加を表明。

団地のシェアカーと自家用車で、大人5人、子ども3人の総勢8名が集合場所へ。

ここから単なる果物狩りではなく、移住者と地域農家さんが繋がる、佐久ならではの温かい交流が始まりです。

団地住民の温かさと雨も忘れる絶景

当日は朝方から小雨が降るあいにくの天気でした。

Uさんから、佐々木さんは畑に出ておられるそうです。長靴を履いて行きましょう。と連絡が届きました。

長靴を持っていない大人が多く不参加の連絡が入り始めました。

Uさんの奥様Mさんから「お子さんだけでもお預かりできますよ」と温かいLINEのやり取りがあり小学生が一緒に乗車して行くことになりました。

集合場所へ着き、佐々木さんの車に続き、田んぼが広がる山の中腹にあるプルーン畑へ。

到着するやいなや、雨でパワーを持て余していた子どもたちは大喜び!

急な坂道をプルーン畑へ一目散に駆け上がっていきます。

栗の木を見つけたA君とT君は足で毬栗を割り始めました。

佐々木さんが「人手が足りなくて消毒できなかったから虫食いだよ」と言われても割るのに夢中です。

栗を取り出すと「うわ!虫食いだ!」とぽいっ!さすが栗の特産地から移住したAくんでした。

そんな様子に大人は大笑いしながら、息を切らし急な坂を登っていきます。

美味しいプルーンを食べるため!ふと振り向くと眼下に広がるのは黄金色に実った穂を垂れた田んぼの絶景でした。

農家佐々木さんが語るプルーン栽培の「リアル」と奥深さ

畑では、佐々木さんからプルーン栽培について興味深いお話を教えていただきました。

今年は摘果を多めにしたものの、干ばつの影響で出荷サイズにならなかったことなど、自然相手の農業の厳しさが伝わります。

「プルーンは採れたてより2日3日常温に置いた方が美味しくなる。採れたてなら、柔らかく枝を振るったら落ちるくらいがいい」と教えて頂きました。

佐々木さんが「ほれ!」と採ってくださるものはトロッと甘いのに、自分で採ると甘いけどやや固め。

一番美味しい状態で収穫するとシワができてしまうため、プロの目利きと収穫時期の見極めが欠かせないのです。普段目にするプルーンは食べ頃の少し前なんです。

さらに驚いたのは、佐々木さんが「それは美味くないよー」と言った一本の木。

隣の木は甘いのに、なぜかその一本だけは味が薄い。

「理由が分からない。だから難しいんだよ」と話す佐々木さんの言葉には、美味しいプルーンを作るための終わりなき探求と、プロの熱意が詰まっていました。

たくさん実をつけたプルーンの木の周りに小さな苗木を見つけました。

自然に落ちた種から生えた苗は大きく育てず接ぎ木したものを育てるのだそうです。

「ここ、接ぎ木してあるとこうなるんだよ」と佐々木さんの説明に興味津々に覗き込むのは大阪から移住したIさんです。

小さなKくんは抱っこして貰い小さな手でプルーンを掴み収穫していました。

美味しいとニコニコですがプルーンはお腹が緩くなることがあり食べすぎ注意です。

佐々木さんにプルーンをパカッと割って食べることを教えて頂きました。

畑を離れ、急な坂を降りながら、参加者たちの間で交わされた会話が印象的でした。

「佐久の空気は美味しい、気持ちがいい」

「こんな贅沢ないわ」

佐久移住で得る「贅沢な暮らし」〜生産者の思いと季節の空気

プルーンを求めて佐々木さんの作業場へも立ち寄らせていただきました。

中には、注文された「オータムキュート」や「プレジデント」がぎっしり。

冷蔵庫で冷やされているもの、外に出して熟成度を調整しているもの…。

それはまさに、「一番美味しい状態で届けたい」という佐々木さんの生産者としての熱い思いが凝縮された空間でした。

11月にはリンゴの収穫があると聞き、また団地住民で手伝いに来よう!と次の楽しみが決定しました。

佐久の空気は、季節のにおいがします。

夏には湿った土のにおい、秋には刈った稲のにおいや藁を燃やすにおい。

あの山の中腹の畑で、採れたての恵みを味わい、農家さんの熱意に触れる。

この体験こそが、佐久移住で手に入れた「最高の贅沢な暮らし」ではないでしょうか。

もし農業や地域との関わりに興味があるなら、ぜひ佐久へ。

ホシノマチ団地は、そんな一歩を踏み出す移住者を温かく迎えるコミュニティです。