ホシノマチ団地プロジェクトは、平成30年12月に国土交通省のモデル事業として認定され、国の生涯活躍のまちの先進プロジェクトとして注目を浴びています。
今年の夏にはオープン予定で、多くのお問合せを受けるようになったため、ここでこれまでの経緯についてまとめておきたいと思います。
これまでの経緯
生涯活躍のまちとは、内閣府のまち・ひと・しごと創生本部が中心となって推進するプロジェクトで、中高年齢者が希望に応じて地方や「まちなか」に移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるまちづくりの取り組みです。
長野県佐久市では平成28年に生涯活躍のまちの構想を作成しました。
その構想に基づき、佐久市の臼田地区がプロジェクト地域として決められました。
内閣府のまち・ひと・しごと創生本部の支援チームの対象自治体として全国7自治体のうちの1つに選定されました。
それまでも佐久市では、ふるさと回帰支援センターやJONIで移住者募集セミナーを実施してきましたが、平成29年からは移住促進センターへ出展し、東京でのPR活動に力を入れました。
一方で、移住者が安心して暮らせる住宅を整備するための調査を行い、市が所有する団地の一部を活用することとしました。
平成30年には、その団地を活用したプロジェクトを運営する事業主体が決定し、ホシノマチ団地プロジェクトとしてスタートしたところです。
平成31年5月から12月までの毎月1回計8回にわたり、佐久市生涯活躍のまちをつくる会を実施し、どのような住宅が良いのか、何をしたいのかということを移住希望者の方々と話し合いました。
毎回テーマを設け、以下のようなことが意見として出され、実現することとなりました。
移住希望者の方々の意見反映内容
1.住宅、家賃について
安心して住み続けられるように、面積換算で市内のサービス付き高齢者向け住宅の半額の金額とすることにしました。
冬はマイナス10度になるということから、既存の住宅に加えて、さらに断熱材をプラスし、寒さ対策を強化します。
2.サービスについて
通常、常駐するスタッフは安否確認や生活相談といった介護などのサポートが中心となるサービス付き高齢者向け住宅ですが、元気な方々の移住ということで、地域になじむために人を紹介したり、イベントを紹介したりということも行うことにしました。
また、スタッフ自体の役割を移住者が行ったり農作業をやったりということで、収入を得られる仕組みもつくることにしました。
そのようにすることで、サービス費の負担を減らし、充実した生活を送れる環境を整えることになります。
3.交通手段について
佐久市での生活には車は必須です。ただ、ホシノマチ団地周辺はJR小海線へのアクセスが良く(徒歩8分)、スーパーなど日常の買い物には不便をしません。
また、柳田清二佐久市長との話し合いの中で、ホシノマチ団地前にバス停を新設することにもなりました。
仕事やアクティビティをする際には車が必要になりますが、その際にはスタッフが運転し、その間他の入居者の方がスタッフの仕事を担うようにすることで送迎が可能な体制を整えることになりました。
4.医療・介護環境について
佐久市臼田地区には地域医療で先進的な佐久総合病院があります。
佐久総合病院とは連携協定を締結し、安心した医療・介護環境を整備しました。
また、佐久総合病院前にある佐久市健康活動サポートセンター(うすだ健康館)では毎日健康活動に関するプログラムが提供されており、健康増進に向けたさまざまな活動に参加することができます。
5.食事について
スタッフが常駐するshoku_ba(集会室)では、キッチンがあります。
そのため、食事の提供が可能ですが、みなさん食事は基本的にご自身で作るということでした。
ただ、週1回程度はみんなで食事をする機会があると良いという話になったため、そのような場を設けることにしています。
地域には食事を家まで届けてくれるお店もあるため、体調を崩した際などはそのようなお店を活用する予定です。
6.仕事について
ホシノマチアカデミーというプログラムを整備しました。
1年後に①月3万円を稼げるようになること、②地域で充実した活動を送れる環境を整えることを目標に、地域で行われるさまざまなプログラムを受講して、単位取得を行うものです。
単位取得後は継続してプログラムを受講いただくことも可能ですし、講師側になっていただくことも可能です。
本プログラムを受講することで、地域の人たちと知り合い、スムーズに地域になじむことができるようになると考えています。
起業等、新たな取り組みをしたいという方向けのプログラムも設け、スタッフがITなどのサポートをすることで、日本全国、世界各国を相手にした取り組みができるようにしたいと考えています。
shoku_baをホシノマチオフィス(シェアオフィス)として地域に開放し、地域の個人事業主等が利用できるようにするとともに、一緒に事業に取り組める環境にしたいと考えています。
7.農業について
ホシノマチ団地近隣の農地を紹介したり、手伝いをしてほしいという農家さんをご紹介して農作業ができる環境を整えます。
ただ、新鮮な野菜を食べたいということであれば、近隣で野菜を作っている家庭が多いので、特に夏場には野菜をいただく機会は多くなると思います。
農業で起業をしたいという方向けにはJA等でのプログラムをご紹介します。
移住希望のみなさまへ
佐久市生涯活躍のまちをつくる会自体は平成30年度で終了しましたが、そこに参加したメンバーや新たに移住希望をご検討のみなさまを対象にSaku +(佐久プラス)という会を平成31年5月からスタートしました。
移住前から知り合いを作り、移住後にスムーズに佐久ライフを送れる状態を作ることができますので、参加ご希望の方はお気軽にこちらからお問合せください。